【05 ボディの違いで走りが変わる】
ボディは効果の高い空力パーツ
カッコ良さはもちろん大切ですが、ボディの形によって空力特性が変わるので、操縦性も変化します。そんな空力を考えて、ボディを選択するのもマシンセッティングの醍醐味。走行させる路面状況やコースレイアウトにマッチしたボディチョイスを学ぼう。
■ボディの種類を分類!
■それぞれの特性を知ろう
■ボディの特徴を走りに生かす
■空力パーツの最終兵器
■動画でウイングの効果について確認!
ボディの役割とは?
RCカーのボディの役割は大きく分けて3つあります。1つめはマシンがクラッシュした時のシャーシの保護。頑丈なポリカーボネート製ボディが激しい衝撃を受け止めます。2つめはマシンの個性を決定するスタイル。自分好みのボディを装着したマシンを思いのままに走らせるのはRCカーの醍醐味です。3つめは空力特性を生かしてマシンの走行性能を引き出すこと。ボディはタイヤの次に重要なセッティングパーツと言われ、ハンドリングや走行安定性に影響します。車種ごとに空力特性が違うため、ボディを載せ換えるだけで走行特性が変えられます。ここでは3つめの役割、ボディと走行特性の関係について学んでみましょう。
ツーリングカーは2タイプ
タミヤのツーリングRCカーのボディは、おおまかに分類すると2タイプあります。サーキット走行のために作られた実車のレースカーをモデルにしたレーシングタイプと、市販乗用車をモデル化したストリートタイプ。ラリーカーは基本的に市販乗用車がベースになっているので、その多くはストリートタイプです。
レーシングタイプ
レーシングタイプボディは、実車のレーシングカーと同様に大きなフロントスポイラーやリヤウイング、低いルーフなど空力性能を追求した形をリアルに再現しています。それだけに、RCカーでも空力性能を十分に発揮。走行中はダウンフォース(走行中に空気の流れや抵抗を利用してマシンを路面に押さえつける力)を発生さることでタイヤのグリップを引き出し、安定した走りを生み出します。また、空気抵抗が少なくモーターパワーをロスしにくいので、トップスピードの伸びが期待できます。操縦フィーリングはクイックな傾向。サーキットなど路面のグリップが比較的高い場所での走行にマッチします。
- 大きく張り出したフロントスポイラーや大型リヤウイング、低いボンネット&ルーフなど空力特性を生かしたスタイルが特徴。
ストリートタイプ
ストリートタイプボディは、レーシングタイプに比べて空力抵抗が大きいものの、マイルドな操縦フィーリングで走行させやすいのが特徴。特設サーキットやパーキングなどグリップが低い路面の走行に適しています。背の高いフォルムなので、コーナリングで車体がロール(コーナリングの遠心力で車体がコーナー外側に傾く姿勢)しやすく、コーナー外側のタイヤにしっかりと荷重をかけることが可能。タイヤのグリップ力を引き出してコーナリング性能がアップします。
- 車体がロールしてコーナー外側のタイヤに荷重がかかりやすい
ボディ取り付け位置の調整
ボディのフィッティングで悩むのがシャーシに取り付けるときの高さでしょう。高すぎると見た目がカッコ悪いだけでなく、重心が高くなって操縦性に悪影響を与えることも。その反対に、低すぎると走行中に路面の凹凸に当たって思わぬトラブルの原因になります。また、コーナリング中は車体がロールして左右に傾くことも考えて調整します。走行前の確認方法は、ボディを取り付けたマシンを上方から押して、サスペンションが沈み切る前に路面とボディが接触しないかをチェック。また、タイヤに当たらないことも重要です。
走行特性に差がつくボディの形とは?
ここからはボディのタイプに関係なく、フォルムがどう走行特性に影響するかを説明します。ボディの中でダウンフォースが大きく発生する部分としては、フロント周り(スポイラーやグリルなど)、フロントウインドウ、リヤウイングがあげられます。ここで注目したいのはボディを横から見たときのフロントウインドウの位置。ノーズ(車体前方からフロントウインドウまでの距離)が短いボディはフロントウインドウの位置が前寄りにあるので、発生したダウンフォースはフロントタイヤにより多くかかります。そのためハンドリングがクイックになるので、コーナーが連続したコースやハイグリップな路面に向いています。一方、ロングノーズでは中央付近から後輪により多くのダウンフォースがかかるので直進安定性がアップ。マイルドな操縦特性で安定感があり、直線の多いコースレイアウトやグリップの低い路面にマッチします。
空気抵抗とトップスピード
ボディの空気抵抗は、マシンのトップスピードに大きく影響します。空気抵抗の大きいボディはモーターのパワーをロスするのでトップスピードが伸びません。基本的に高さがあるボディほど空気抵抗が大きいため、低いボディのほうが有利。ただ、基本的には空気抵抗が少ないとダウンフォースが減り、トップスピードは伸びるものの安定性が低くなる場合があります。実際に走行してフィーリングをつかむのも重要です。
- レーシングタイプのボディでもデザインによって高さが異なる。
OPウイングでリヤタイヤのグリップを確保!
「コーナリング中にリヤタイヤが滑ってしまう」。こんな状態では安定して走行することができません。解決策として、グリップの高いタイヤに交換することも方法の1つですが、OP(オプション)のウイングを装着して、リヤタイヤのグリップをあげる方法もあります。ストリートタイプのボディはリヤウイングのないものが多く、標準で装備されているレーシングタイプのボディでもスケール感を重視して実車のデザインに合わせて作られているため、スケールの小さなRCカーでは有効な空力性能を発揮するとは限りません。それに対してオプションで用意されているリヤウイングはRCカーの空力特性に合わせて最適なダウンフォースを発生する専用形状のため、抜群の効果を発揮します。タミヤのツーリングカーボディのほとんどに取り付けられるので試す価値ありです。
4つの形状がラインナップ
タミヤからはオプションのリヤウイングとして3D形状が特徴の「 レーシングウイング タイプα(54457)」、ベーシックな形状の「 レーシングウイング タイプβ(54458)」、そしてラウンドタイプとストレートタイプをセットした「レーシングウイングセット 2(54494)」の3アイテムがラインナップ。スナップピンを2つ取り外すだけで簡単に交換ができるので、好みのドライブフィールになるウイングを探してみよう。
- ウイングの形状の違いによるダウンフォースの強さ ※写真の製品は撮影ため塗装してあります。
ウイングの取り付け角度を変える!
オプションパーツのウイングはステーの台座となるJ1部品の前後を組み変えて、ウイングの取り付け角度を変更できます。リヤタイヤのグリップ力を高めたい時はウイングを立ててダウンフォースをアップ。逆に寝かせると空気抵抗が減ってトップスピードが伸びるなど、マシンセッティングの1つとして有効です。
- J1部品の組み変えでウイングの取り付け角度が変更可能
インターネット配信番組「タミヤRCカーグランプリ Vol.25
番組内のコーナー「RCで女子部でGO!」の中でウイングの効果とおすすめのパーツを紹介。19分30秒ぐらいからスタートします。