【08 ホイールアライメントに挑戦】
ホイールアライメントに挑戦
車体や路面に対するタイヤ(ホイール)の取り付け角度のことをホイールアライメントといいます。これを調整することでステアリング特性や直進安定性を変更できます。今回はTT-02シャーシにOP(オプション)パーツを追加してホイールアライメントの調整にチャレンジしてみよう。
■アライメントとは?
■トー角の調整
■TT-02でトー角を調整
■キャンバー角の調整
■アライメントの調整を動画で確認
車のタイヤ(ホイール)は路面や車体に対して、さまざまな方向に角度が意図的につけられています。この取り付けの状態を表すのがホイールアライメントです。実車と同じようにRCカーでも代表的なものはトー角、キャンバー角、キャスター角の3つ。これらのセッティングはステアリング特性や直進安定性に影響します。今回はベーシックシャーシのTT-02にOPパーツを追加して、トー角とキャンバー角を調整してみましょう。
トー角はつま先の向き
トー角とは、シャーシを上からみた時に左右のタイヤがシャーシの中心線からみて前すぼまり(トーイン)、後ろすぼまり(トーアウト)の状態を角度であらわしたものです。前すぼまりで角度が3度ついている場合「トーイン3度」と表します。ちなみにトー角の「トー」とは英語でつま先のこと。ですので内股=トーイン、ガニ股=トーアウトで覚えるのもよいでしょう。
トー角の効果は?
まず、フロントにトーインをつけると直進安定性が高まる一方でアンダーステア傾向に。逆にトーアウトをつけるとコーナリング開始時からイン側のタイヤがより深く切れ込んだ状態になるのでステアリング動作の初期反応が高まる一方、直進安定性が低下する傾向があります。リヤのトー角はコーナリング時のリヤタイヤのグリップに影響し、トー角が少ないとオーバーステア傾向、強めるとアンダーステア傾向に。コーナリングでリヤタイヤが横滑りしやすい時は、トーインをつけるとグリップ力が上がり横滑りしにくくなります。ちなみにリヤのトーアウト設定は走行安定性が低下するのであまり行いません。
フロントタイヤのトー角調整
一般的にRCカーのフロントのトー角はステアリングアームの長さを変えることで調整します。TT-02のステアリングアームは固定式なので、OPパーツの「OP.1752 TT-02アップグレードステアリングセット」を組み込めば調整できるようになります。ステアリングロッドに可変式のターンバックルシャフトを使用しているので、トー角の調整が可能。さらに、サーボホーンやステアリングブリッジなどのアルミ製パーツがハンドリング性能を高めます。ステアリングロッドを標準より長くするとトーイン、短くするとトーアウトになります。このときステアリングアームの長さを揃えて左右のトー角を合わせることがポイントです。調整の目安ですが、シャーシを上から見た時に「少し角度がついたかな」程度で十分。角度をつけすぎると走行時に抵抗が増えて、タイヤが極端に磨耗したり、コントロールしにくくなります。
- ターンバックルシャフトを使用したステアリングアームは車体に取り付けた状態で長さ調整ができます。
こちらのOPパーツもおすすめ
サーボホーンやステアリングブリッジはそのままで、 トーイン調整をするなら「OP.662 TT-01 ターンバックルタイロッドセット」が使えます。TT-01用のOPパーツですが、ステアリングアームの長さを39mmにして組み込めばTT-02にもそのまま使用OK。もちろんステアリングアームにターンバックルシャフトを採用しているので、自由に長さを調整してトー角のセッティングが可能です。
リヤタイヤのトー角調整
キット標準状態ではリヤタイヤのトー角は0度です。トー角を変更するには、リヤアップライトをOPパーツに交換します。オプションにはトー角を設定できる2種類のアップライト「OP.1549 TT-02 アルミリヤアップライト (2.5度)」と「OP.1733 TT-02 アルミリヤアップライト (3.0度)」があります。コーナリング性能と走行安定性のバランスが取れているのが2.5度、リヤタイヤのグリップを確保して、滑りやすい路面でのコントロール性を高めたい時は3.0度を選択するのがおすすめです。
コーナリングに影響
シャーシを前から見た時、路面に対してタイヤが左右方向に傾いている角度がキャンバー角。タイヤが車体内側に傾いていればネガティブキャンバー、外側に傾いていればポジティブキャンバーといいます。RCカーではネガティブキャンバーに設定するのが一般的です。
キャンバーの働き
キャンバー角がついていない(0度)場合、タイヤは路面に対して垂直なので、直進中はタイヤのトレッド面(接地面)は路面とぴったり接することができます。けれども、コーナリング中のRCカーは遠心力により車体が外側に傾くので、その結果タイヤも傾きます。この状態ではトレッド面が路面にぴったり接地しないのでタイヤのグリップを最大限に発揮できません。そこであらかじめネガティブキャンバーをつけて、コーナリング中にトレッド面が最適に路面と接地するようにします。
セッティング方法と効果
タミヤのツーリングカーで多く使用されるダブルウィッシュボーンタイプのサスペンションでは、アッパーアームの長さを変更してキャンバー角を調整します。アッパーアームを短くすると、ネガティブキャンバーになり、コーナリング時のグリップ力が高まりますが、角度をつけすぎると直進安定性が低下し、コーナリング時の挙動もクイックに。一般的にRCカーのキャンバー角は0.5度〜2.0度前後でセッティングします。またタイヤグリップや路面状況に合わせて前後それぞれに設定します。
キャンバー角を変更
TT-02シャーシはステアリングアームと同様にサスペンションのアッパーアームも固定式のため、OPパーツの「OP.1874 TT-02アジャスタブルアッパーアームセット」を組み込むことでキャンバー角の調整が可能になります。このアッパーアームはターンバックルシャフトを使用した可変式なので、調整は簡単。アジャスタブルアッパーアームを使用する時は、合わせて「OP.792 アッセンブリーユニバーサルシャフト(TT-01・TA04)」と対応するジョイントカップを装着してください。
- ターンバックルシャフトを使用したステアリングアームは車体に取り付けた状態で長さ調整ができます。
キャンバー角を計ろう
アーパーアームの長さを揃えても、サスペンションパーツのガタなどにより、キャンバー角は左右で多少差が出ます。正確に設定したい場合に便利なのが「OP.861 ツーリングカー キャンバーゲージ」。下の写真のようにタイヤに当てて角度を調整。角度は4種(0.5度・1.0度・1.5度・2.0度)が選べます。また、キャンバー角を計るときは次の3つのポイントに注意しましょう。★できるだけ新品に近いタイヤで測定する。特に片減りしたタイヤでは正確な角度が測れません。★車高を変更するとキャンバー角も変化するので、その都度調整する。★走行時と同じ車重にしないと車高が変わってしまうため、ボディ以外の搭載物(バッテリー等)はすべて載せて計測する。
インターネット配信番組「タミヤRCカーグランプリ Vol.16
番組内のコーナー「まりえのRCに挑戦!」でトー角のセッティングについて紹介。25分35秒ぐらいからスタートします。
インターネット配信番組「タミヤRCカーグランプリ Vol.25
番組内のコーナー「RC女子部でGO!」でトー角セッティングについて紹介。14分50秒ぐらいからスタートします。