第2回:高校生がAI自動運転に挑戦!【タミヤ×静岡聖光学院】
【第2回】
予選に向けて試行錯誤! 調整と実行の連続
静岡聖光学院の学生さん7名と始動した産学連携プロジェクト。
AIによるRCカーの自動運転を実現し、「トヨタ技術会 自動運転ミニカーバトル」に挑戦するためのサポートをタミヤが担います。今回は第2回目。
第1回目のワークショップでは自動運転を成立させるために重要な2つの要素
●車体の仕組みなどの「メカ的要素」
●AIの基礎知識と学習方法といった「AI的要素」
これらを学んだ学生の皆さんが、いよいよ自動運転の「頭脳」となるAIに具体的な情報を教えていきます。
今回は、タミヤ本社に設置したテストコースを使用し、自動運転を成功させるために試行錯誤する様子をお届けします。
また、学生の皆さんが制作したラジオコントロールカー(以下、RCカー)を活用した学校での取り組みについても紹介します。
1.自動運転への挑戦! AIの学習と調整作業
学生の皆さんの自動運転への挑戦は、3回に分けて実施しました。
自動運転を成立させるためには、AIが走行中の景色や状況を認識しながら障害物や壁に衝突しないよう判断し、走行する必要があります。
一方、AIは自ら判断しているように感じますが、AI単体では、意図している判断が行えません。実際は人間があらかじめ「判断するための材料」となるデータを与え、その状況下で取らせたい行動を教えていかなければなりません。最終的には、AIはその教えてもらった情報を元に判断が行えるようになります。
そこで、まずは人間がリモコン操作でRCカーを操縦してコースを走らせ、走行中の景色を写真で記録していきます。
次に、撮影した写真をもとに、その状況で障害物や壁に衝突しないようにするにはどのような行動をとるべきなのかを教えていきます。
たとえば、壁が左に迫っているのであれば右方向にある一定のハンドルを切る必要があるといった具合です。
学生の皆さんは、懸命に写真を撮影し、初回だけも約1,000枚の画像データを集めました。
この撮影した写真をもとに、その状況下でRCカーがどのように動くべきかをAIに学習させていきます。
しかし、最初のチャレンジでは、走行はしたものの、壁に衝突したり、全く意図していない動きをしたり、なかなかうまく走れません。
人が当たり前に認識していることをAIに教えることの難しさに「なんでこうなっちゃうんだろう」、「あー!おしい!」という声もちらほら。
ある学生さんは、「自分たちはきちんと指示を出しているつもりなのにそれは場合によってはAIには通じない……」とAIと人の認識のギャップを身をもって体感しました。
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走行前にマシンの特性への理解を深める学生の皆さん。
2.より安定性のある走行に向けて
自動運転への挑戦は続きます。2回、3回と回を重ねるごとにAIの動きが良くなっていきました。
RCカーが衝突してしまう箇所があると、
●どの写真が足りていないか
●各写真に対する判断を調整して教え直す
といった点を話し合い、撮影をし直したり、学習データを修正したりします。
AIは判断材料となる学習データが多いほど意図した判断をしやすくなりますが、単に量を増やせばいいわけではありません。不要なデータや偏ったデータが多いと、かえって誤った判断をしてしまうこともあります。また、学習させるデータが多いほど、処理に時間がかかります。
すぐに走らせて修正や試行を重ねられず、もどかしさを感じる学生もいました。
学生たちは、どの情報が必要で、どの情報が不要かを考えながら、AIに与えるデータを選別していきました。
撮影した画像データを学校に持ち帰り、編集作業を行い、より良い学習データを作成していきます。
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撮影した画像をもとに学習したAIで、自律走行を行います。 -
走行を確認しながら、教えたデータの修正の方向性を話しあって決めます。
3.【番外編】 学園祭での学生の取り組み
静岡聖光学院では、9月27,28日の2日間で開催された学園祭の“聖光祭”にて、学生自身が制作したRCカーを用いて体験走行を開催してくださいました。
「学生の知的探求心を尊重した教育」がモットーの聖光学院では様々なゼミがあり、日々学生が思い思いに活動をしています。
今回のRCカー体験走行は本プロジェクトに参加している農学ゼミの学生さんが中心となって運営をしてくれました。
農学ゼミでは、人手不足による茶産業の衰退が懸念されるなか、雑草取りの作業をラジコン操作で補えないかという視点から、未来の茶産業の姿を探っています。こうした目的の元、体験ブースのコースは製茶の工程をたどる内容にしました。
体験してくれた参加者の方たちは、ラジコンに慣れている方もいれば、初めて操作する方もいてさまざまでしたが、どの参加者も楽しそうに取り組んでいました。
今回のように課外活動の一環としてご参加いただいた本プロジェクトが学校教育とも結びつき、学生の視野を広げる一助となっています。
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学生の皆さんが学園祭でRCカーの体験ブースを運営してくれました -
運営を担当してくれた学生の皆さん
4. 次回予告
いよいよ、トヨタ技術会 自動運転ミニカーバトルの予選に挑みます。
エントリーは学生チームからは2台、タミヤチームは1台の合計3台での挑戦です。
次回の第3回では、予選当日の様子や、学生たちが大会から得た学びについてお届けいたします。
今回のワークショップで、学生たちは「作る」「考える」「試す」を繰り返し、手先を動かしながらAIや技術を学ぶ面白さを体験しました。
企業でのAI学習、ものづくり体験に関心をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。
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