下地によって変わる!シルバーの塗装表現いろいろ

航空機モデルでは無塗装の金属で覆われている機体の場合、一般的にシルバー単色で塗装の指示がされます。しかし、実機では様々な素材の金属が組み合わせによる異なる色調の銀色で複雑に構成されています。これをモデルで再現するためには、塗装前の下地にどのような処理をするかで、金属の質感を塗り分けることが可能です。 ここでは銀塗装前の下地の処理によってどのように質感が変わるのか、実際の塗装例でご紹介します。このテクニックは航空機モデルだけではなく金属が多く使われるバイクモデルをはじめ、情景製作や建築模型などの塗装でも幅広く応用していただけます。(使用キット:ITEM 61040 1/48 ノースアメリカン P-51D マスタング

  • 【作例:1】
    TS17 アルミシルバーをグレーの成形色のパーツに直接塗装した例。一般的なアルミやジュラルミンなど、落ち着きのある質感に仕上がる標準的な塗装です。 
    ⇒照明による見え方の違い

  • 【作例:2】
    グレーの成形色のパーツに研磨スポンジシート2000 (ITEM87170)を一方向に軽くかけた後、TS17 アルミシルバーを塗装。ツヤ消しとなった表面は強固で重厚感ある仕上がりになります。 
    ⇒照明による見え方の違い
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  • 【作例:3】
    パーツにスーパーサーフェイサーL(グレイ) (ITEM87042)を塗装し、乾燥後、TS17 アルミシルバーを塗装。パテやプラバン、金属部品など異なる素材で追加工作した箇所があっても統一された色調で仕上がります。 
    ⇒照明による見え方の違い

  • 【作例:4】
    TS26 ピュアーホワイトを塗装し、乾燥後、TS17 アルミシルバーをラッカー溶剤(ITEM87077)と1:1で希釈し、エアーブラシ塗装。明るく仕上がった銀色は薄くて軽量な金属を連想させます。
    ⇒照明による見え方の違い

  • 【作例:5】
    TS14 ブラックを塗装し、乾燥後、TS17 アルミシルバーをラッカー溶剤と1:1で希釈し、エアーブラシで2回塗装。磨きこまれた金属のように、鏡面的な質感の銀色に仕上がります。
    ⇒照明による見え方の違い

  • 【作例:6】
    TS14 ブラックを塗装し、乾燥後、一部をマスキングして、研磨スポンジシート2000を一方向に軽くかけた後、TS17 アルミシルバーをエアーブラシ塗装。一部のパネルのみツヤ消しとなり、質感が変わります。
    ⇒照明による見え方の違い
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  • 【作例:7】
    TS14 ブラックを塗装し、乾燥後、一部をマスキングして、スーパーサーフェイサーL(グレイ)を塗装。その後、TS17 アルミシルバーをラッカー溶剤と1:1で希釈し、エアーブラシ塗装。一部のパネルが明るめの銀色となることで、異なる金属素材が使われているような質感が再現できます。
    ⇒照明による見え方の違い

  • 【作例:8】
    作例:7と同様
    ⇒照明による見え方の違い

YouTube:下地色の影響で仕上がりが変わる銀塗装のテクニックを実例を交えながら長谷川マスターが解説

※塗装例製作:長谷川伸二氏(プロモデラー/タミヤ プラモデルファクトリー トレッサ横浜店 アトリエマスター)